S3Dで巡る日本と世界遺産・SITテクノロジーカフェ【豊洲マガジン】
- 2013/12/12
- 江東区おでかけ情報
S3D技術で100年前にタイムスリップ!
豊洲マガジン編集部の加藤です。
12月6日(金)は、佃イノベーションスクエア(有楽町線・大江戸線 月島駅徒歩9分) にて、第16回芝浦工業大学SITテクノロジーカフェが開催されました。
惜しまれながら、今回で最終回となるSITテクノロジーカフェ。
長年、立体映像の研究をされている芝浦工業大学工学部教授の中村広幸さんが語る、『S3Dで巡る日本と世界遺産』を取材させていただきました。
映画やテレビがなかった100年以上も前、欧米の家庭では世界中を写した立体写真によって仮想世界旅行を楽しんでいたのです。
S3D技術により、170インチスクリーンに映し出される当時の日本や世界の風景は、私たち見る者を100年前にタイムスリップさせてくれました。
※S3DのSはステレオの意味です。
【話し手】中村広幸(なかむらひろゆき)さん 芝浦工業大学工学部教授
東京大学理学部化学科、工学部都市工学科卒業。
同大学大学院社会学研究科修士課程修了、同大学院人文社会系研究科博士課程満期退学。
専門は社会情報学。関西学院大学教授などを経て現職。
著書に、『情報秩序の構築(社会情報学への接近)』(共著、早稲田大学出版部)
『情報アクセシビリティ やさしい情報社会へ向けて』(共著、NTT出版)など。
「中学時代から休みの度にカメラ片手の旅。それが今の研究にもつながっています。趣味は料理と旅。
専門分野は情報技術と社会との関係を考えること。情報社会でどうすれば人々は幸せに暮らせるようになるかがテーマです。」
「フランスで19世紀半ばに発明された写真技術は、世界各地の姿を記録し人々に紹介する重要なメディアとなりました。
とりわけ、目の前に広がる空間を臨場感あふれる姿に再現する“立体写真”は欧米で大ブームとなり、映像メディアが発達していなかった当時、仮想旅行を楽しむ唯一の手段でもありました。
“立体写真”には、CGとは異なる、実写だけが持つ臨場感・実在感、迫力があふれています。
一世紀以上を隔てた今、これらは、貴重な資料であるばかりではなく、私たちを100年前の世界へと誘ってやみません。」
シリーズ最終回の今回は、明治期の日本に加え、世界遺産など、各地の100年以上前の姿を現在の技術で蘇らせる、というものです。
まず、100年前の日本の様子がスクリーンに映し出されます。
専用のメガネをかけて観た途端、参加者の皆さんからは感嘆の声が!
当時の日本人の服装、体格、表情、しぐさまでもが、平面の写真ではなく、立体的に浮かび上がって見えるのです。
映像を観ながら、「これは日本橋だね。」という声が上がるなど、皆さんが興味深く鑑賞されている様子が伺えました。
東京は、浅草寺や、亀戸天神の藤棚で集う当時の人々。
横浜の野毛で人力車に乗る女性や、鎌倉の大仏、鶴岡八幡宮などが映し出されました。
そして、北関東は日光、富岡製糸工場、伊香保など。
京都は八坂神社、四条大橋、宇治での茶摘みの様子などが映し出され、立体映像の美しさに魅了されました。
日本各地の様子のみならず、日露戦争時代の日本兵の様子を立体映像で観ることができ、とても貴重な体験をすることができました。
2Dでは表現できなかったものに3Dが加わることによって、表現の幅が広がるということを実感しました。
また、休憩の間には、中村先生が持参してくださったビューワーやステレオカメラを、実際に手に取って見ることができました。
ほとんどの方が実物を見るのは初めてで、皆さんとても喜んでいました。
毎回、参加者が定員をオーバーするほど大人気のテクノロジーカフェ。
残念ながら今回で最終回となりましたが、来年もぜひこのような素晴らしい企画があることを楽しみにしています。
中村先生、感動的な映像を鑑賞させていだだきありがとうございました。
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